光と影が交差するバスケ物語『黒子のバスケ』1巻レビュー

完結マンガ
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主役は光ではなく影

この『黒子のバスケ』もざっくり言えば、スポーツマンガの王道、ハイスペックな主人公の加入によって弱小チームが勝ち続けるパターン。

同じジャンプだと『キャプテン翼』、さらにバスケでは花道の入部で快進撃を続ける『スラムダンク』然り。

この『黒子のバスケ』もご都合の良すぎるところは多々あるものの、主人公が影に、というのは新しいパターン。

少し後に始まった『ハイキュー!』でも光と影がどーのーこーの、言っていたなあ。

『黒子のバスケ』コミックス1巻より

黒子は「影」でパサー。

『ハイキュー!』の影山もパスを生業とするセッター。同じ!

ご都合主義

一つの中学校のバスケ部、同じ世代に10年に一人の逸材が6人揃っていた「キセキの世代」という設定。

『黒子のバスケ』コミックス1巻より

6人はそれぞれバラバラの高校に進学したため、一校ずつ対戦していくストーリー。

テンポもよく、このキセキの世代のキャラがしっかりしていて、読みやすく、面白い。

1巻で出てくるのは黒子テツヤと黄瀬のみだが、黄瀬の瞬時にコピーできる能力も描かれている。

キセキの世代も黒子も火神ももれなくタイプの違うイケメンなので当時は推しが分かれたことでしょう。

火神と黒子

夏目漱石の『それから』や谷崎潤一郎の『細雪』を普段静かに読んでいる黒子テツヤと敬語が苦手で粗暴なところもある火神のコンビがバスケコートで大暴れする。

ハンバーガー屋で山積みのハンバーガーを食べる火神と毎回先に座っているにも関わらず後から来た火神に驚かれる黒子。

『黒子のバスケ』コミックス1巻より

毎回大量に注文できる経済力が気になる。

実は、こち亀の中川並みの大金持ちのお坊っちゃん、とでもいうのだろうか。

新設校のバスケ部

昨年は1年生だけで決勝リーグへ駒を進め、監督を務めるのは女子高生。

新入生が入って来ただけで勝てる不自然さ、よりはある程度強いという下地があった方が自然、なのだろう。

監督相田リコの見ただけで身体の身体能力が数値化できる能力は2巻以降も続くのだろうか…。

『黒子のバスケ』コミックス1巻より

男子バスケ部に入部するには全校生徒の前で高い目標を叫ばないといけない。

拒否すれば全裸で好きなコに告る、ことになっている。

逆に、もしそれでOKしてくれる女子がいたら、非常に心配。

相手の弱点を見つけて攻略

1巻では黄瀬の弱点を見つけて、この後逆転できるか、というところまで。

『黒子のバスケ』コミックス1巻より

登場直後はこんな相手に勝てるわけない→ひょっとしたら勝てるかものパターン。

こちらが強くなって倒す『ドラゴンボール』的な展開というよりは、弱点や相性で攻めるロックマンみたいなものか。

キセキの世代

この後に出てくるであろうキセキの世代、そのキャラクターに本作の魅力が詰まっている。残りの4人の個性が際立ちすぎていて1巻だけでどうこう言える作品ではない。

他の4人がどんな化け物なのか、という期待は十分高めてくれる。

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