『Heaven?』が描くフレンチレストランの奮闘記――没入感と臨場感、その魅力とは?

完結マンガ
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読んだら疲れる?

佐々木倫子作『Heaven?』は、読者を一瞬で物語の中に引き込む没入感が強い作品です。

そのおかげで、気が付けば自分も「黒須オーナーのレストランで働いている気分」になってしまう。

その没入感は疲れてしまうほど!

heaven? コミックス1巻より

たとえば、高校時代にバイトしていたファミレスでの記憶が鮮明に蘇り、物語が自分の過去とリンクしてしまうことも。

ちなみに、ファミレスでのバイトの思い出の中でも忘れられないのは、大穀新座店の賄いで食べた上うな重。なんと650円で食べられた幸せは、今でも鮮やかな記憶です。

あれがもう30年前のことだなんて…!

黒須オーナーの名前に隠されたメッセージ?

黒須仮名子というユニークな名前。

heaven? コミックス1巻より

ふと「仮名子」という文字に目を止めて、「これは芸名?いや、クロスカナコ=クローズ(閉店)?」とついつい深読みしてしまいます。

この独特なオーナーの名前も、物語の魅力を増す要素と言えるでしょう。

文学界に顔が広い彼女にはエッセイストの友達もいるようです。

1巻では料理記者だと思われた黒須が「時代遅れ」という言葉に傷つくシーンも描かれています。

果たして、彼女の正体は2巻以降で明らかになるのでしょうか?

heaven? コミックス1巻より

蜘蛛の巣ドレスの意味

スタッフを集めるオーナーの姿は、決して普通ではありません。

たとえば、伊賀をスカウトする際に着ていた蜘蛛の巣柄のドレス。

heaven? コミックス1巻より

これにはまるで伊賀が獲物、で「蜘蛛の巣に引っかかった獲物」といった皮肉な意味合いを感じるのですが…皆さんはどうでしょう?

オーナーに振り回されるスタッフの日々

『Heaven?』で繰り広げられるエピソードはどれもインパクトが強く、読者を惹きつける一方で、疲労感をもたらすものも少なくありません。

オーナーによるトラブルの数々と、それを解決するスタッフたちの奮闘が物語の軸となっています。

以下は代表的な事件の例です:

  • 準備ゼロの状態でオープン四日前
  • トイレ未完成のため、保健所の許可が下りない
  • エアコン故障(実際はブレーカーが切れていただけ)
  • オーナーが形見の傘を紛失して起きる混乱

特に印象的なのは、未完成のトイレ問題。

heaven? コミックス1巻より

隣の施設「やすらぎ会館」のトイレを借りることで営業許可を得る様子は、まるで綱渡りのような展開でした。

そしてオープン当日、エアコンの不備が発覚。

前日までオーナーがエアコン使用を禁じていたために故障だと思われていましたが、原因は単なるブレーカーが切れていただけだった…というオチ。

heaven? コミックス1巻より

さらに、「形見の傘事件」も忘れられません。

雨の日に満席となった店内。傘の番号札が落ち、間違った番号札が付けられたことで、大切な形見の傘が違う人の手に渡ってしまうという悲劇が起こりました。

heaven? コミックス1巻より

こんなハプニング続きでは、読んでいるこちらもぐったりしてしまいますよね。

ネズミへの恐怖

物語に登場するネズミのシーンも、忘れられない一コマ。

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ドラえもんや『動物のお医者さん』の二階堂でなくてもネズミには恐怖を覚えるもの。

幼い頃住んでいた家の裏手に広がる雑木林、そこで頻繁に見かけたネズミやゴキブリ。

その頃はまだネズミを怖いとは感じなかったものの、嫁の実家の乾物屋で粘着シートに捕まった大きなネズミを見たときは、さすがに恐怖を感じました。

『Heaven?』を読んでほしい人

  • 理想のレストラン作りに挑戦してみたい方
  • フレンチレストランの裏側に興味がある方

疲れるけれど、一度読み始めれば止まらない『Heaven?』。

その魅力をぜひ体感してみてください!✨

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