総理大臣・防衛大臣の挑戦
日本の首相が悪夢にうなされる場面から始まるストーリー。 その悪夢では、学生服姿のアツシ、シンちゃん、ナナちゃんの3人が恐怖の象徴である「双亡亭」に忍び込む。 しかし、入った直後にナナちゃんが行方をくらます。

必死に探し出したナナちゃんと手をつないだ彼らが振り返ると、そこには信じられない光景が広がる。 伸び続ける何メートルもの手、ぽっかりと空いた目、そして左目からは何かが現れようとする…。 この悪夢の影響を受けたシンちゃんとアツシは、総理大臣と防衛大臣として国の全力をもって双亡亭の破壊を決断する。 この重厚なモダン・ホラーは、深い恐怖と戦いのドラマを描き出します。
凧葉務――物語の中心人物
双亡亭を破壊するため、鍵を握る人々が動き出します。
その1人が主人公の凧葉務。

美術大学を卒業し、絵本作家を目指す青年です。
かつて「小学館」に持ち込んだ絵本は不採用となったものの、彼のスケッチした双亡亭の外観が唯一の正確な図面として貴重な資料になっています。
双亡亭隣のアパートに住んでいた経験から、「特殊災害対策室」のアドバイザーとして協力することに。 この実直な青年が語る「双亡亭壊すべし」という言葉は、航空自衛隊による爆撃作戦が始まり広く知られるきっかけとなりました。

これは、『魔法少女・オブ・ジ・エンド』の「まじかるー♪」と並ぶ、口に出してみたくなるフレーズ。
双亡亭との激戦――破壊不能の謎
どれほどの攻撃を受けても崩れることのない双亡亭。
クレーンで吊るした鉄球をぶつければ飲み込まれ、ものすごい勢いで吐き出される。
壊れた看板が気付けば修復されている、という異様さ。
破壊には特殊な力が必要不可欠であることが次第に明らかになります。
そんな中、東京の上空に突如現れた40年前の旅客機。
その中に乗っていた少年「凧葉青一」は、腕をドリルのように変化させ霊体さえも粉々にする特殊能力を持っています。

青一が街中を駆け回り、双亡亭に挑む姿は息を呑む迫力です。
宿木――目的のために手段を選ばず
政府の「特殊災害対策室」に所属する宿木は、目的達成のためなら手段を選びません。
父親の死後、心を閉ざした緑朗から情報を引き出そうとする際には、父親の遺体写真まで使おうとした冷徹な性格。

しかし、この憎まれ役が物語をどう展開させるのか、期待を抱かせます。
柘植紅――刀巫覡としての力
緑朗の姉である柘植紅は、日本一と言われるお祓いの力を持つ刀巫覡。

彼女の力なくして双亡亭の破壊は成し遂げられないでしょう。
紅と緑朗の兄妹の再会は3年ぶりですが、感情の起伏が激しく思い込みで話をややこしくする一面も。 九州での修行を経て、彼女がどのように物語に関わるのか、興味が尽きません。
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