2025年マンガ大賞候補として注目された『廻天のアルバス』との出会い
芸人さんが面白いマンガを紹介する番組で、2025年マンガ大賞の候補として真っ先に名前が挙がっていた作品──それが本作『廻天のアルバス』だった。
その瞬間から気になっていたのだけれど、実際に読んでみて「これは確かに候補になるわ」と納得。
私はドラクエ世代なので、“魔王を倒すまでの道のり”が醍醐味だ。
倒せなかった敵が倒せるようになったり、行けなかった場所に行けるようになったり、あの積み重ねが楽しい。
でも『廻天のアルバス』は、その“王道の外側”に視点を置いている。
これは『葬送のフリーレン』にも通じる部分で、魔王討伐後の世界や、旅の意味そのものに光を当てる構造がとても新鮮だった。
帯に書かれていることも誇張なしで、巻末まで読むと「そういう意味だったのか…!」が何度も訪れる。
今、『廻天のアルバス』1巻を読み終えて、手元にある方は本の「そで」(後ろから開いてすぐのカバーの折り返し)を見てほしい。
原作者・牧彰久さんと作画・箭坪幹先生の魅力
『廻天のアルバス』は、
- 原作:牧彰久さん
- 作画:箭坪幹(やつぼ みき)先生 のタッグで生まれた作品だ。
牧さんのストーリー構成は、1巻の時点で“伏線の密度”が異常に高い。
1話に1つは伏線が仕込まれている感覚で、読み返すと新しい意味が見えてくる。

「廻天」という言葉自体も初めて聞いたが、作品を読み進めるほどにタイトルの重みが増していく。
箭坪先生の絵は、キャラクターの感情の揺れを丁寧に描きつつ、戦闘シーンでは一気に迫力が増す。
フィオナのコスプレ回の可愛さと、魔王軍幹部ヴァルゴの“忠実な良い奴感”のギャップがすごい。
この二人の組み合わせだからこそ、 「魔王討伐後の世界」 「時間を巡る旅」 という難しいテーマが、読みやすく、かつ深く刺さる物語になっているのだと思う。
勇者アルバスとフィオナの“時短”の旅が面白い
物語は、勇者アルバスが魔王を倒したシーンから始まる。

このあたりが『葬送のフリーレン』に似ている理由のひとつ。
アルバスは“時短”を最優先する勇者だ。
- 国王の出立の儀式をすっ飛ばす
- 装備よりも速い馬にお金をかける
- 遠回りするくらいなら強敵がいても近道
- 傭兵を雇って盗賊団を外注討伐
とにかく「時間が一番大切」だとフィオナに説く。
この価値観が、物語全体のテーマと深く結びついている。
アルバスは5歳のときに“神の使者”から啓示を受け、10年かけて魔王に挑むが敗北。
しかし死の瞬間に「旅立ちの日」に戻れる異能を持っていた。

今回の冒険はなんと 36巡目。
この設定だけでワクワクするし、同時に“重さ”も感じる。
フィオナは北部の田舎出身の僧侶で、睡眠魔法が得意。
初対面のはずなのに、アルバスは彼女の能力をすでに知っている。
この違和感もまた、物語の鍵になっている。
人生はループできないけれど、やり直すことはできる
アルバスは死をあまり恐れていないため、生存率が6〜7割だとしても挑戦する。
まあ、死んでしまってもやり直せるからだけど。
旅の真の目的をフィオナに語るときは核心には触れない。
ただ、彼の行動の根底には“善意”がある。
嘘をつくこともあるが、それもすべて時短のためであり、真の目的のためだ。
読んでいて思ったのは、 「もし人生がループできたら、最適解だけを選ぶのだろうか?」 という問い。
でも実際は、
やり直せないから人生は面白い
のと、同時に
今からでもいくらでもやり直せる
この2つが同時に真実なんだと思う。
アルバスの旅は3年が目標だが、それで真の目的が達成できるとは限らない。
この“届きそうで届かない距離感”が、読者の心を掴む。
伏線の多さと1巻の完成度の高さ
1巻を読み終えて感じたのは、とにかく伏線が多いということ。
・アルバスの旅の真の目的
を随所で匂わせ、1巻の巻末でタネを明かす。
・アルバスの過去の仲間たち
についても、今後どう回収されるのか楽しみで仕方ない。
そして何より、 「諦めない馬鹿がもう一人いると安心する」 というアルバスのセリフが刺さった。

この1巻で一番好きな言葉だ。
『廻天のアルバス』1巻の完成度は、『推しの子』1巻に匹敵するレベルで、序章として完璧にまとまっている。
ネタバレなしで語れるのはここまでだが、正直、読んだ人にしかわからない“気づき”が山ほどある。
まとめ:『廻天のアルバス』は“時間”と“選択”を描く新しい勇者物語
- 魔王討伐後から始まる物語
- 時間を巡る勇者の36回目の旅
- フリーレンと共通する“余白の美しさ”
- 伏線の密度と読み返しの楽しさ
- 原作者と作画のタッグによる完成度の高さ
どれを取っても、2025年の注目作にふさわしい作品だと思う。
ネタバレなしで書いたので、ぜひ実際に1巻を読んでほしい。
読み終わったあと、あなたもきっと「もう一度読み返したい」と思うはず。
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