よふかしのうた 第1巻 感想|吸血鬼との出会いと夜の自由を描く青春物語

完結マンガ
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はじめての夜、はじめての自由

よふかしのうた コミックス1巻より

中学2年生の夜守コウは、ある夜、初めて夜間の外出を経験する。

学校で女子に告白されたものの、「付き合う」という感覚がよくわからず、結果的に断ってしまったコウ。

その後、彼女の友人に責められ、何もかもが嫌になってしまう。

不登校になり、夜も眠れなくなったコウは、誰もいない夜の街へと歩き出す。

人通りもなく、誰にも干渉されない夜の世界。

そこには、昼間とは違う静かな自由が広がっていた。

自販機のビールと、ちょっとした背徳感

よふかしのうた コミックス1巻より

スマホで不眠について調べていると、「酒が効く」という情報が目に留まる。

興味本位で自販機のビールを買ってみるコウ。

今の時代、コンプライアンスや表現規制が厳しくなっているけれど、未成年が誰もいない夜にこっそりビールを買う──その高揚感と後ろめたさが、夜の空気に溶けていく。

違法・合法問わずドラッグには手を出そうなんて思わないが、酒やタバコにちょっとだけ触れてみたくなる気持ち…それは、誰にでもあるものかもしれない。

ナズナとの出会い──吸血鬼は意外と照れ屋?

よふかしのうた コミックス1巻より

ビールを手にした瞬間、得体の知れない女性に声をかけられる。

彼女の名は七草ナズナ。なんと吸血鬼だった。

ナズナの部屋に誘われ、布団に寝かされるコウ。

寝たふりをしていたが、結局血を吸われてしまう。

しかもコウの血は「美味しい」らしい。

私、ヨハネにとって吸血鬼といえば「ウリリリリリィ、ジョ◯ョ、俺は人間をやめるぞォーー!!」というイメージだったが、ナズナは照れ屋で下ネタ好き、そしてちょっとカッコいい吸血鬼だった。

吸血鬼になる条件──恋と夜ふかし

よふかしのうた コミックス1巻より

血を吸われたことで、自分も吸血鬼になったのでは?と不安になるコウ。

ナズナによると、吸血鬼になるには「吸血鬼に恋をすること」が条件。

つまり、コウがナズナに恋をして、そのうえで血を吸われる必要がある。

ナズナは夜の魅力を語り、コウはその世界に惹かれていく。

そして「吸血鬼になりたい」と告げるコウ。

お互い名前を聞いて、ふたりの夜ふかしが始まる。

ナズナとの夜遊び、そして芽生える感情

よふかしのうた コミックス1巻より

コウはナズナから夜の楽しみ方を教わる。

血を吸われるのは“お返し”ではないけれど、ナズナが他の人の血を吸うことに複雑な気持ちを抱くコウ。

まだナズナに恋しているわけではないけれど…それってもう、恋なのでは?

幼馴染・アキラの登場で広がる世界

よふかしのうた コミックス1巻より

物語の終盤、コウの幼馴染・朝井アキラが登場。

コウが誰かに持って行かれたと思っていたトランシーバーを手に、学校に行こうと誘う。

早朝に会うようになったコウとアキラ。

そんなコウの変化に気づいたナズナが現れ、アキラに自分が吸血鬼であることを明かす。

3人でお店に入り、ナズナはビール、コウとアキラはコーヒーを飲む。

明け方にコーヒーを飲む中学生…なんとも不思議な光景。

少し怒ったナズナとコウが仲直りし、物語は第1巻の幕を閉じる。

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