舞台はピンサロ
小さな下着メーカーの営業として40年間勤め上げた長谷部進。
同時期に妻を乳癌で亡くす。
四十九日を引きこもっていた進だが、一念発起して清掃のアルバイトに応募する。
宴会場のようなところ、と勝手に考えていたが実際はピンサロ、清掃業とのことだったが、ボーイの仕事も任される。
風俗店を利用したこともなく、女の人の見たくない部分を見てしまった、とアルバイトに応募したことを後悔する進。
しかし、閉店後の店内清掃中、床一面にミントタブレットが満点の星空のように散らばっていた。
それはお店の女の子たちが忙しく、口をゆすぐ暇もないためミントタブレットだけで次の接客に向かっているという、彼女たちの戦いの証であった。
お店の女の子たちが頑張れば、客は満足する、そういった形で社会全体に貢献していることを進は感じてここで働く決意をする。
主人公長谷部進は下着メーカーの営業を40年間勤めていたこともあり、予備知識として生理についても勉強したことになっている。
作者の安堂ミキオさんは女性なので、当然生理にも詳しく、ピンサロでの描写もエグすぎず描かれている。
ピンサロ「世界観」に勤める女の子たちは、手抜きせず真摯に仕事に向き合っている。

長谷部進
美大を卒業し下着メーカーに就職。

良い意味で真面目で慎ましい生活を送ってきたため、奥さんや娘に楽しい思いをさせてきたとは思えずにいる。
美大生時代にはバンド活動もし当時キレイだった奥さん、和子さんと結婚。
進いわく和子は後年「結婚しなければよかった」と言っていた、という。
キャストのしおりが生理痛で苦しんでいると休んでいる分のお金を負担する、と言い出すくらい。
店におく熊手を購入するときにも自腹で不足分を出した。
真面目なあまり性病についても自分で調べ、唐突に娘にも「性病検査してるか!?」と直接聞き、引かれている。
娘にはピンサロでボーイをしているとは言えず、ビルの清掃だと言い張っている。
帰りが遅くなるときなどメールをするが、返信なしが「了解」ということになっている。
会社員時代はエクセルで日報を作っていたこともあり、WEBの更新を依頼されても難なく受けている。
長谷部美織
進の娘で現在も同居中。
漫画家でタブレットを使って描いている。

原稿料は1ページ1万円。
月30万円くらいだがアシスタントにはここから支払う、と思うととても厳しい。
昔から進は「何を考えているかわからない」ので家を出ることも考えている。
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