・1巻から完成度がスゴい!
言わずと知れた名作『ドラゴンボール』。
改めて読んでみるとキャラ、ストーリー、テンポそのどれもが素晴らしい。

なんと1巻の巻末までに7個のうち5個を手に入れている。
6個目があるという牛魔王の城に到着するところまで。
そしてチチも1巻で登場している。
・マンガ史に残る名作
作者からのコメントで全体のストーリーは簡単にはできているものの、細部やラストは行き当たりばったりで作っていく、とのこと。

この時点で悟空が父になり、スーパーサイヤ人になり、フリーザと死闘を繰り広げることを誰が予想しただろうか。
・自然なストーリー展開
バトル要素が強いドラゴンボールだが、1巻でさりげなく登場している発明品、アイテムがストーリーの進行を助けている。
車やバイク、家などを持ち歩ける「ホイポイカプセル」やウーロンに言うことを聞かせるのに役立った「ピーピーキャンディ」など。

前作の『Dr.スランプ』が発明家である則巻千兵衛による発明でストーリーが展開していたこともあり、ブルマが「ドラゴンレーダー」を発明し、悟空の元へやってきたことから冒険が始まった。
・初登場時の悟空は14歳
1巻で悟空は14歳、悟空と2つ違いということからブルマが16歳となる。

1巻ではウーロンはブルマより年下だということだけがわかる。
ブルマが高校生というのはまだしも、悟空が14歳には見えない。
『Dr.スランプ』でアラレちゃんもあの見た目で13歳の設定であった。
アラレちゃんは学校、それも小学校よりも中学校の方が話が広がりやすかったからではないかと想像がつく。
悟空が14歳というのは作品のメインターゲットである小中学生に親近感を持ってもらうためではないだろうか。
・抜群の読みやすさ
昭和59年から昭和60年にかけてジャンプに連載されていたものがコミックスの1巻に収められている。
現在読んでみて、古さを全く感じない。
冒頭で「むかしむかしのこと」とはあるものの、時代劇っぽさはなく、ホイポイカプセルなど近未来の感じさえする。
鳥山明はかつてマンガの描き方『ヘタッピマンガ研究所』内でファッション誌を参考にして女性の服を描くと言っていた。
ドラゴンボール1巻では悟空やウーロン、ヤムチャなど同じ服を着ることでキャラクターを確立しているのに対し、ブルマはストーリーとの関わりを持たせつつ、各話ごとに衣装も髪型も変わっている。

・ストーリーとギャグの交錯が絶妙
マンガ界最強のキャラの一人の悟空。
1話目でブルマから頭を銃撃される(出会ってすぐ発砲するブルマもなかなかだが…)。
が、当然悟空は「いって〜!」で済み、ウーロンを恐れた村人のオノも悟空の頭には敵わず粉々になってしまう。

ステンレスのように鍛えてある、と悟空は言っているが、車を知らず、初めて見た人間がブルマ、という悟空の口から「ステンレス」と言うのはいささか引っかかるものの、恐竜が闊歩し大熊の山賊もいるくらいだから気にする方が間違っているのだろう。
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