『国宝』を観た後は──歌舞伎マンガ『ぴんとこな』が面白い!

完結マンガ
250827220404106

映画『国宝』を観たら読みたい!歌舞伎マンガ『ぴんとこな』の魅力

映画『国宝』の余韻に浸りながら、もっと歌舞伎の世界を味わいたい方へ。

そんなあなたにぴったりなのが、女性向けのおすすめ歌舞伎マンガ『ぴんとこな』です。

伝統芸能と青春ドラマが融合したこの作品は、歌舞伎初心者にもわかりやすく、心に残る物語が描かれています。

歌舞伎を題材とした映画『国宝』の人気がすごい。

圧巻!なのだそう。

我が家では、まず、嫁が鑑賞しに行った。

嫁は元々、歌舞伎を観に行くことがある。

以前はたまに、観に行っていた。

嫁いわく、『国宝』は人間ドラマとしては面白いが、俳優さんが1年半稽古したくらいでは、伝統ある歌舞伎の演技は表せないのだそう。

そういったところが気になってしまう、と言っていた。

『国宝』の余韻に浸るなら──歌舞伎マンガ『ぴんとこな』が心に刺さる

その嫁が『国宝』を観た後、Amazonにて『ぴんとこな』全巻セットを購入。

こちらは「面白い!」と太鼓判。

出てくる演目も『国宝』と似通っている、とのこと。

娘が『国宝』を観にいくと言い出したとき、嫁は『ぴんとこな』を読んでから観に行くことを薦めていた。

『ぴんとこな』、連載当時からとても評判が良かった作品。

『国宝』の鑑賞前に読んでも、鑑賞後に読んでも、面白い。

ぴんとこな コミックス1巻より

あらすじ

歌舞伎の名門、木嶋屋の御曹司、恭之助。

高校生にして人気の歌舞伎役者だが、父親から認めてもらえないこともあって、なげやりな演技をすることも。

ある日、歌舞伎座で清掃のバイト中の同級生、千葉あやめと出会う。

今でこそ、バイト三昧、極貧の生活を送っているあやめだが、元お嬢様で歌舞伎にはとても詳しい。

一般のファンには見抜けなかった、恭之助の手抜きの演技もテレビの画面越しに一度観ただけでもお見通し。

あやめは恭之助に昼公演の一等席のチケットをねだる。

それは門閥外(伝統的な家柄や血筋に属していない、いわば“外部”の出身)から一流の歌舞伎役者を目指している一弥に会いたいがため、だった。

ぴんとこなとは

男らしく芯のある二枚目なのだそう。

てっきり一般的に使われる「ピンとこない」から、しっくりこない、よくわからないなどネガティブな意味だと思っていたら、真逆でした。

他にもよい歌舞伎役者の条件を「一声二顔三姿」といって、カオよりもまず、声がよくないといけない、のだそう。

そして、「一声二顔三姿」は、いっせいにがんさんし と読むのです!

他にも『ぴんとこな』では歌舞伎用語を説明してくれるコーナーも。

ぴんとこな コミックス1巻より

歌舞伎界を舞台にタッチ的展開?

少なくとも1巻では恭之助とあやめと一弥の三角関係。

まさに歌舞伎界のタッチ。

…他に三角関係モノを知らないのだよ。

ただし、3人ともいいやつ。

どれくらい、いいやつかはこの後。

登場人物、みんないいやつ

恭之助

歌舞伎界の名門、木嶋屋のお坊ちゃん。

ぴんとこな コミックス1巻より

幼い頃から、稽古に励むも父親からは少しも認めてもらっていない、と感じている。

しかし、幼い頃から毎日稽古を積み重ねてきただけあって実力は折り紙付き。

あやめに野球ボールが飛んできたときも、咄嗟に身を挺して庇った。

千葉あやめ

元お嬢様で歌舞伎を観る目は確か。

ぴんとこな コミックス1巻より

恭之助の芝居をテレビで観ただけで評価でき、気持ちが入っていないことも読み取った。

幼なじみでもあるヒロキを一途に思い続ける。

特待生として入学。

生活が苦しくバイトに明け暮れ、校内の花壇で野菜を栽培しようと目論む。

歌舞伎座の清掃のバイト中に恭之助と初めて話すことができた。

弘樹(澤山一弥)

歌舞伎の家柄出身ではないものの、直向きに歌舞伎の修行に励む。

ぴんとこな コミックス1巻より

いいやつ。

歌舞伎界では立場が上となる恭之助に対し、きちんとあやめが好きだということを伝える。

やっぱりいいやつ。

ただし、「お嬢さん」「弘樹」と呼び合う仲の女性の影が。

この女性が『ぴんとこな』1巻での「ミス ミステリアス」に決定!

ぴんとこな コミックス1巻より

この女性は一体、誰??

1巻のベストエピソード

小学校以来?であろう、再会を果たしたあやめと弘樹。

しかし、思わずあやめの手を引いて恭之助が立ち去ったため、二人はきちんと話すことは叶わず。

弘樹の気持ちを聞いた上で恭之助はヒロキの名前でメッセージ付きの花束を毎日あやめに送る。

ぴんとこな コミックス1巻より

「もう好きではない」「今は芸に集中したい」など否定的な文章で送ることもできたのに、である。

恭之助、いいやつ。

『ぴんとこな』が教えてくれたこと

それは、直向きな努力を続けることの素晴らしさ、です。

恭之助は歌舞伎の名門の家柄に生まれました。

が、それだけでなく幼少の頃から毎日、稽古を続けてきています。

この積み重ねがあってこそ、「上達したい」という気持ちが芽生えたとき、一皮剥けて結果がついて来るのです。

父親がなかなか認めてくれず、くさっていましたがもしかたら父は、「下手に褒めたら努力をやめてしまうかもしれない。

自分で腕を磨きたいと思うようになるときまで、あえて褒めずにいた」のかもしれません。

あやめも初めて恭之助と言葉を交わしたのは、歌舞伎座の清掃のバイトでした。

いくつものバイトを掛け持ち、するのは高校生には大変なことだと思います。

特待生で入学しているので、成績も維持しなければならないでしょうし。

彼女も時間をやりくりしていたからこそ、運命が開けたのだと思います。

弘樹も同じ。

歌舞伎の家柄の生まれでないことは大きなハンデ、スタート地点にも立てていない、ということになります。

そこから決意をして、家に入り、そしてずっと稽古をし続けなければならない。

その決断を15、16歳でしているのです。

歌舞伎役者として成功する保証はなし。

稽古は、して当たり前の世界。

生まれたときから環境が整っていた恭之助とは、覚悟が違う、と言えるでしょう。

『ぴんとこな』は、歌舞伎という伝統芸能を舞台にしながら、登場人物たちの努力や葛藤を丁寧に描いた女性向けのおすすめ歌舞伎マンガです。

『国宝』で歌舞伎に興味を持った方にも、きっと心に響くはず。

青春と芸の世界が交差するこの作品は、歌舞伎の魅力を知る入り口としてもぴったりです。

あなたの好きな歌舞伎作品、ぜひコメントで教えてください!

薙刀の世界へようこそ—『あさひなぐ』1巻の魅力  はこちら

役者の青春がここに—『アクタージュ』1巻の魅力  はこちら

少年マンガの金字塔『ドラゴンボール』  はこちら

コメント

タイトルとURLをコピーしました