資本主義ギギギィィィ
1ページ目から、資本主義の厳しさがビシッと描かれています。

お金持ちがなぜずっとお金持ちでいられるのか、その仕組みがあまりにもあっさりと、でも痛烈に示されていて…うん、確かにそうなんだけど、世知辛いなぁ。
そんな中で登場する主人公・御前崎真道(おまえざき しんどう)は、超大富豪の家に生まれ育った人物。
でも、物語の始まりでいきなり無一文になって家を追い出されてしまうんです。
まさに転落スタート。
御前崎真道という人物
真道は一応「紳士」を目指しているんだけど、まだまだ道半ばって感じ。
生まれながらの紳士というよりは、「紳士だったらどう振る舞うか?」を常に考えて行動しているタイプです。

時には狼狽えたり、ちょっとずる賢い一面も見せたりして、なんだか『今日から俺は!!』の三橋を思い出す瞬間も…。
でも、そんな完璧じゃないところが彼の魅力であり、物語に広がりを持たせているんですよね。
登場人物
真道と幼少期から一緒に過ごしてきた仲間たちも、個性豊かで魅力的です。
朝涼(あさすず)
しっかり者の美少女。
真道を立てつつも、芯のある考え方ができる頼れる存在。
夏野(なつの)
単純でちょっとおバカ。
でも憎めないキャラで、真道を煽っても全然相手にされないところがまた面白い。
側山(そばやま)
真道に一度も勝てなかったのに、ある日突然債権者に。

真道にうまく乗せられたとはいえ、彼の行動には紳士的な一面も。
たとえば、
- 真道の体操着や夏服は奪わなかった
- 朝涼の服にも手を出さなかった
- パーティーでは真道にタキシードをプレゼント
…などなど、側山も意外と紳士っぽいところがあるんです。
紳士エピソードあれこれ
1巻の中でゴキブリが2回登場するんですが、真道はそれを素手で捕まえるんですよね。
紳士って、そういうこともできるの…?
それから、以前埋めていた60万円相当の金貨を、朝涼と夏野にためらいなく渡している場面も印象的。

でも、呼ばれたらすぐ戻ってくるあたり、カッコつけるにも限界があるみたいです。
側山の前では堂々としていた真道も、寝る前にはグチをこらえていたりして…やっぱり「紳士完成形」にはまだ時間がかかりそう。
サッチャンの話
1巻では、ここぞという場面で真道が「サッチャンの作り話」を持ち出します。初めて読んだときは「えっ、真道って人の心が読めるの?」と勘違いしてしまいました。

でも、屋根裏に潜む“天井男”のエピソードでは、ちゃんと作り話だとわかるようになっていて、真道の機転が光ります。
爺(じい)
実はこの作品の中で、いちばん変な人かもしれません。

スケベなのか、かまってちゃんなのか…。
大財閥に仕える爺なのに、キャラが完全にふざけていて、逆に印象に残ります。
便利屋たち
他のキャラが霞むくらい、嫌な人たちです…。
でも、現実にもこういう人たちっているんだろうなぁと思うと、ちょっと切ない。
「金の無い奴は払わない。
頂ける所から少々割高で頂く」と、完全に割り切った商売スタイル。

今後、真道が紳士らしく正義を貫くのか、それとも悪徳便利屋に染まってしまうのか…2巻以降が気になります!
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